寿命150歳を可能にする?「異種移植」の過去と現在…プーチンと習近平の雑談で注目
「長生きなんてうんざり」という人がいる一方で、一部の権力者は長生きを前提とした権力固めに躍起になっている。先月3日に中国・北京の軍事パレードに出席した中国の習近平国家主席(政権掌握から13年)と、ロシアのプーチン大統領(同25年)が、臓器移植を通じた寿命延長について話し合ったことが話題になった。
「昔は70歳を超える人は珍しかったが、今では70歳でも子供だと言われている」と習主席が言えば、「バイオテクノロジーの発展により、人間の臓器は継続的に移植できるようになり、人はどんどん若返り、ついには不死さえ実現できる」とプーチン大統領は応じたという。さらに、習主席は「今世紀中に150歳まで生きられる可能性があるとの予測もある」と語ったという。
これを「夢物語」と思ったら大間違いだ。ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。
「臓器移植による長寿への挑戦の歴史は古く、ノーベル賞受賞者が確立した血管吻合技術により、動物の臓器をヒトに移植する『異種移植』が1900年代にスタートしています。当時は、サル、羊、ブタなどの動物の腎臓をヒトの肘や太ももなどに移植しましたが、拒絶反応から生着せず、数時間から数日で亡くなったと報告されています」