神保町の古本屋街巡りのシメに喫茶店 本日の獲物を広げる
東京に出てきた時はすでに平成になっていたが、古本屋はまだ健在であり、その聖地はむろん“神保町”であった。
貧乏な映画好き青年のお目当ては、「矢口書店」で映画本の掘り出し物を探すこと。それからウン十年。古書はメルカリで探すのが当たり前の時代に。古本屋にもしばらく行ってない。というわけで平日の昼すぎ、訪ねてみた。
地下鉄神保町駅を岩波ホールのあるビルから出て、交差点から靖国通りを九段下方面に向かう。古書店がズラリと並ぶ光景は昔ながらで一安心。だが一番手前、確か岩波ブックセンターだった店が「神保町ブックセンター」と名を変えていた。店構えはなんとなく似ているが、店内にカフェが。これが今のはやりらしい。しかし、どうも売り物の本に囲まれてお茶を飲む気にはなれん。
我が青春の「矢口書店」は建物も古いまま健在。実際に撮影に使われた古いシナリオもある。何げなく1冊抜き出す。シャープ火曜劇場? 昭和37年7月放送って、俺が生まれる10年も前だ。当時は手書きのガリ版刷りだったんだな。
その並びの「澤口書店」には昭和の古マンガ雑誌がずらり。昭和36年の「週刊少年マガジン」は全51冊セットで、きゅ、90万円! 誰が買うんだ。バラ売りは巨人の長嶋が表紙の「少年キング」(昭和41年発売)が1冊5000円。高いなあ。昭和46年発売だと1000円。これなら手が出る。