データ解析能力を生かし収入増 企業はデジタルで試行錯誤
今回はデジタルマーケティングやデータ分析を副業にしている吉田さん(仮名、28歳)を紹介する。大阪在住で東京の会社とリモートワークをしている。
「最近のビジネスはウェブやデータ解析のテクノロジーを抜きにして語れなくなっています。企業はデジタル系のツールやデータをどう使うのか試行錯誤している感じです。私は本業でもGoogleの検索エンジンの分析などをしていますが、最近のGoogleは検索する人の意図をより重視します。検索単語に『食べたい、行きたい、買いたい』などの動詞が含まれていなくても、『ラーメン』だけが入っていれば、GPS(衛星利用測位システム)も使って、今いるところで、その時間にすいているラーメン屋さんを地図に表示してくれます。そうなるとGoogleに表示されるような形でお店の情報をウェブサイトに掲載する必要がでてきます。去年の年末くらいにも大きなアップデートがあったのですが、変更があるたびに、どのようなアルゴリズムになったのか仮説を立てて検証しています。またスマホ対応も企業の課題です」(吉田さん)
総務省の情報通信白書によれば、2010年に国内で初めてモバイル端末からのインターネット利用者数がパソコンからの接続者数を超えた。モバイル使用時間はさらに拡大傾向にある。
そこで吉田さんは、デジタルマーケティング領域での技能をさらに伸ばすためにも、ビッグデータを解析する仕事を副業にすることにした。
「副業での業務は、企業内のデータや公開されているようなソーシャルなデータを組み合わせて、仮説と検証を繰り返しています。たとえば、気象データ、食べログなどの飲食店の属性や評価データ、野菜や肉などの価格データ、場所の写真データ、人流データ、POSデータなどを組み合わせて関係性を見いだし、マーケティングや企画に生かしていきます。本業との相乗効果も期待できそうです。たとえば人工知能系のサービスを含んでいるGoogle Cloud Platform、マイクロソフトAzure、アマゾンWebServicesなどです。アルゴリズム系は大手のサービスに任せておいて、企業が持つデータをどのように解析、活用するのかが、これからのビジネスに効いてくると思います」