高級チョコレートの謎…1粒400円は高いか、安いか?
緊急事態宣言発令中に迎えたバレンタインデー。大丸松坂屋百貨店によると、今年は2月5日までのオンライン売り上げが前年の約3倍。5000円以上の高価格帯商品が好調で、届け先の9割が購入者自身とのこと。年々、チョコレートが高級化している印象を持っている人は少なくないだろう。
日本で高級チョコが普及するきっかけとなったベルギーのメーカー、ゴディバのボンボンショコラは1粒300円ほど。世界的に有名なパリのトップショコラティエのジャン=ポール・エヴァンといった店だと、1粒400円〜500円はザラだ。日本の大手メーカーの板チョコが4、5枚買える計算になるが、果たして値段に見合う価値はあるのか。チョコレートジャーナリストの市川歩美さんに話を聞いた。
「ショコラティエといわれる職人が手作りするチョコレートは、アート作品と同じ感覚で見ていただくとわかりやすいと思います。職人はブランドや自身の世界観をチョコレートに込めていて、使用するカカオの産地やナッツ類や乳製品に強いこだわりを持っています。ほかにも、高級な抹茶やスパイス、理想とするオレンジやパッションフルーツなどさまざまな素材を探し求めて入手し、高い技術を駆使して完璧な配合で1粒に完成させているところがほとんどです」