無症状者の集団検査開始も…変異株は「解析せず」のお粗末
そこで、栃木県に聞くと「集団検査は内閣官房が主導していますが、ゲノム解析の話はもらっていません」(感染症対策室)と回答。内閣官房に聞いても「11都府県含め今回の集団検査でゲノム解析を実施することは念頭にありません。費用や検査機関のキャパの問題もある。ただ、もし必要があれば、検討することはあり得ます」(新型コロナウイルス感染症対策推進室)とのこと。
■血税81億円がもったいない
将来の検討こそ否定しなかったが、ゲノム解析は想定外だ。せっかく、81億円も投じて市中の検体を大量に入手するのに、あまりにももったいない。
「各国は変異株に最大限の警戒をしており、日本国内でも蔓延している可能性があります。政府が本気で変異株から国民を守る気があれば、集団検査で得られた検体をゲノム解析し、実態と向き合おうとするはず。国民の命と健康は眼中にないということでしょう」(医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏)
国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は18日、都のモニタリング会議で変異株に触れ、「現状より急速に感染拡大するリスクがある」と警戒感を示した。
感染拡大後に変異株の脅威を知っても遅いのだ。