藤井2冠が高校を自主退学…「中卒」だと人生詰みは本当か
2・7%を選んだ。将棋の藤井聡太2冠が名古屋大教育学部付属高を1月末で自主退学した。現在、若年労働者(15~34歳)のうち、「中卒」はわずかに2・7%。中卒に対する偏見や制約が厳然として残る中、この選択は正しかったのだろうか? (日刊ゲンダイ/加藤広栄)
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「なんで大学に行かないんだ! 若い者が勉強をおろそかにするとは何事だ。そんなやつは出入り禁止だ。君は、ワシのそばにいて、ワシが学校を出ていないことがどれだけハンディになっているのか分からんのか」
言葉の主は、当時大蔵大臣だった田中角栄。国会でアルバイトをしていた高校生を諭した時のものだ。高等小学校卒(現在の中学2年まで)の角栄は学歴の重要性を誰よりも知っており、池田勇人(京都帝大)や大平正芳(東京商科大)といったライバルに引け目を感じていたフシがある。