4.9から関西・四国リレー…聖火がつなぐ変異株の感染爆発
緊急事態宣言の解除、ポカポカ陽気、お花見、人出の増加、歓送迎会、卒業旅行、そして変異株……。新型コロナウイルスの感染再拡大の材料は尽きない。実際、全国各地に急激なリバウンドが広がっている。このままでは、あちこちに「まん防」(まん延防止等重点措置)を発動する事態になりかねない。
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厚労省の発表によると、1週間平均の新規感染者数が前週に比べて増えたのは26日時点で28都府県、横ばい(1倍)2県、微減(0.9倍以上)が6道県となっている。感染を抑えているのは山梨、鳥取、島根、宮崎くらいだ。
■41都道府県に拡大
感染を広めているとみられるのが変異株だ。厚労省の最新発表(23日時点)では、変異株が確認されているのは26都道府県だが、自治体発表を追加すると、28日までに41都道府県に上る。見つかっていないのは、岩手、山形、鳥取、長崎、熊本、宮崎の6県のみである。
直近でも、佐賀(25日)、島根、秋田(26日)、山口(28日)で初めて変異株の疑いがある感染者が確認された。きのうの山口の感染者は今月中旬に関西地方に旅行していた。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「先週のうちに、宮城、山形と大阪に『まん防』を発動しておくべきでした。今からでもすみやかに発動すべきですが、ここまで全国的に感染が広がってしまうと、一部の地域だけに発動し、感染拡大を抑えるのは難しい。ほぼ全ての都道府県を対象に発動し、全体で抑え込むしかありません。事実上の緊急事態宣言の全国拡大ですね」