八重洲地下街は今<2>さすが東京駅直結の一等地、早くも新規出店ラッシュ

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 今年6月で開業57年目を迎えた八重洲地下街、通称「ヤエチカ」は、東京駅直結の好立地にある名物地下街だ。半世紀以上にわたり近隣で働く会社員らに親しまれてきたが、コロナ禍による客足減少で2020年度は一気に約30店が閉店する異常事態に。新店誘致を進める中、コロナ禍でも強い業態の企業が続々と出店。他とは違う商業空間をめざし、新たに歩み始めた。

 この夏、話題を集めている最新店が7月29日、オープンした大手回転寿司チェーン「スシロー八重洲地下街店」だ。運営する「あきんどスシロー」は、従来の郊外型だけでなく都市型やテークアウト専門店の拡大を進めており、昨年10月から今年3月末までの半年間で計24店を開店させ、コロナ禍でも出店を加速。八重洲地下街店は、回転寿司「スシロー」とテークアウト専門「スシロー To Go」の併設という同社初のハイブリッド店舗が特徴だ。

 注文した商品が専用レーンで直接席まで届く最新設備を導入したほか、持ち帰り用の「自動土産ロッカー」の設置などコロナ禍にマッチした非接触サービスも充実させた。平日は会社員、休日は旅行者や家族連れなど幅広い集客を見込んでいる。

 ヤエチカへの出店について、広報担当者は「八重洲地下街は観光客だけでなく出張やビジネスパーソンなど幅広いお客さまが楽しめる場所。日本を代表するターミナル駅のひとつである東京駅直結の地下街に進出することで、今までスシローを利用したことがないお客さまにもシーンに合わせてお楽しみいただければ。末永く愛される店にしたい」と意気込む。

 ヤエチカの強みは何といっても東京駅直結の立地だ。運営する「八重洲地下街」専務の丹羽亨さん(写真)は「コロナ収束後のインバウンド需要を見据え、東京駅近くに拠点を持ちたいという企業も増えている」と話す。そういう背景もあり、昨年はテナントの閉店が増大したものの、今年は年内までにほぼ全区画で新規開店する見込み。

「人が集える場がテーマ」

 コロナ禍に対応する新しい取り組みにも挑戦している。丹羽さんは続ける。

「抽象的なフェアといった販促ではなく20%還元する商品券販売など経済販促にシフトした。これまで夏と冬に開催していた恒例の抽選会は行列ができる風物詩だったのですが、スマホで対応できるデジタル販促にも力を入れています」

 八重洲エリアは大規模な再開発が進められていることから、同時にヤエチカも本格的なリニューアルを計画中だ。

「周辺の街をつなぎ、通行だけでなく人が集える場がテーマ。四季を感じ、視覚や香りなど五感に働きかける魅力的な商空間を目指したい」

 戦後の高度経済成長期から愛される八重洲地下街、ヤエチカ。コロナ禍を乗り越えた先、“らしさ”を残しながら進化した姿に期待したい。

(取材・文=肥田木奈々) 

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