コロナ感染後のEDはリスク5.7倍…“オトコの性活”を守るための改善策

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 新型コロナウイルスの感染者は、20代から50代が中心になっている。男性の感染者の中には、感染で苦しむと、回復後にEDになる人もいるという。20代はもちろん、50代もまだまだ男盛りだけに、ちょっと心配だ。

 ◇  ◇  ◇

 チャオ! コロナ前ならあいさつ代わりにキスを交わしていたイタリアで興味深い論文が投稿された。男性のコロナ感染者は、感染していない男性に比べて5.7倍もEDになりやすいというのだ。

 研究チームは、オンライン調査「Sex@COVID」を通じて、18歳以上の男性2644人、女性4177人を調査。平均年齢は32.8歳。アンケートした昨年4月7日から5月4日はロックダウン中で、ロックダウンやソーシャルディスタンス、精神的・社会的・性的な健康状態を調べるのが目的だった。

 そのうち性的に活発な男性985人を抽出。さらに年齢やBMI(体格指数)、不安や抑うつの状態が同程度の人の中から、コロナの感染者25人と感染していない75人を分析した。その結果、感染者のEDリスクは、感染歴のない男性の5.7倍に上ったという。

 隔離された病室や療養施設でコロナの苦しみと孤独に耐え抜いて、やっと回復。元気になった喜びで妻や彼女と肌を重ねたのに、アイツが役立たずではツライ。コロナ前はEDでないのだから、なおさらだ。

 40代男性が胸のうちを語る。

「コロナに感染したのは昨年10月です。会社で感染者が出て、濃厚接触者だったためPCR検査を受けたら陽性で。ホテル療養しましたが、症状はまったくなし。それでも狭い個室に缶詰めで、『もし悪化したら』と怖くなることがありました。10日で退院したときはうれしくて、真っ先に彼女に連絡しましたよ。で、彼女がウチにくれば、そういう流れになりますよね。でも、彼女の体に触れても、彼女に触れられても、全然ムクムクする感じがしなかったんです。『きっと病み上がりだから』と慰めてくれたのですが、それからもダメでした」

 元気な男性でも、酒の飲み過ぎで勃たないことはよくあるが、ホテルを退所した日は「とにかく人肌が恋しくて、食事を後回しでシタかった」という。

 パートナーと快気祝いをするはずが、まさかの不能で、その後もリベンジならず。コロナ前は元気だった男性がなぜなのか。

 昭和大藤が丘病院泌尿器科教授の佐々木春明氏が言う。

「新型コロナウイルス感染症は、血管に悪影響を及ぼし、血栓を作ったり虚血状態を生じさせたりすることがあるといわれます。陰茎の動脈は1~2ミリと極めて細く、ちょっとした動脈硬化で詰まりやすい。無症状でも、血管内ではそんな変化が生じているのかもしれません。また、感染後の闘病生活は孤独で、心理的なストレスがとても大きい。血管内の異常とストレスが重なり、感染した男性はEDになりやすいのでしょう」

 コロナの症状には、味覚障害や嗅覚障害も知られ、治癒後も後遺症として続くことがある。多くは1カ月ほどで治るとはいえ、海外の報告では5~10%は回復に数カ月を要することもあるといわれる。男盛りの年齢でさらにEDでは、生きる喜びが大きく損なわれるだろう。

PDE5阻害薬で血管の内皮機能を改善

 EDを回復する手だてはないのか。

「新型コロナ感染症によるEDの原因の一つが血管内皮障害とすれば、PDE5阻害薬が効く可能性は十分です。この薬は陰茎の動脈を拡張させ、海綿体への血流を促すことで勃起を起こすのですが、血管内皮細胞を保護する働きもある。新型コロナによるEDには、最適の薬といえます」

 PDE5阻害薬は、バイアグラ、レビトラ、シアリスに代表される薬。狭心症に使われる硝酸薬をはじめ、併用タブーの薬もあるため、服用するときは医師に相談することだ。

 シアリスと同じ成分で低用量のザルティアは、前立腺肥大の薬として保険適用になっている。ザルティアは有効成分が5ミリで、シアリスは10ミリか20ミリだから、ザルティアにED改善の効果はないが、興味深い可能性がある。

「前立腺肥大の患者さんでザルティアを最低、半年間毎日服用すると、血管の硬さを調べる数値が改善するのです」(佐々木春明氏)

 なるほど、PDE5阻害薬の血管内皮機能改善効果が期待できる。

■ビタミンD不足は独立したリスク

 もう一つは、ビタミンDの可能性だ。スペインの研究チームは、コロナ感染者にビタミンDを投与するグループとしないグループに分けて重症化リスクを比較。投与しないグループは50%が重症化したが、投与したグループはわずか2%で済んだ。

 このビタミンDについては、2015年の米国心臓病学会でEDとの関係が示されている。米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者は、ビタミンDの血清値が十分なグループと不足しているグループを比べて、EDの発症リスクを比較した。すると、不足しているグループのEDリスクは十分なグループに比べて1.3倍だった。「ビタミンDの不足は、糖尿病や高血圧などとは独立したEDの発症リスクである」と結論づけている。

 スペインの研究から、ビタミンDが不足した状態でコロナに感染すると、その分だけ血管の内皮機能が悪化。極細のペニスの血管は大きなダメージを受けてEDの原因になることが推察される。さらに米国の研究で、そもそもビタミンD不足の生活を続けることが、EDを助長することが読み取れる。ビタミンDの不足は、コロナ感染にもEDにもダブルパンチなわけだ。

 では、ビタミンDをどうやって補うか。ビタミンDは食品では摂取しにくく、紫外線を浴びると体内で合成される。暑くなる前の午前中などに、半袖&短パンで20分ほど散歩すればいい。海やプールで泳ぐのもいいだろう。

「散歩などの有酸素運動はEDの改善に効果的。一石二鳥です」(佐々木春明氏)

 もちろんサプリで手軽に摂取するのもいいが、熱中症にならないくらいの散歩なら、ストレス発散にもなる。パートナーと一緒に歩けば、よりリラックスできるだろう。散歩で日焼け、そして夜はあの薬が“男の性活”を、ひいてはパートナーとの円満ライフを守るのだ。

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