<8>「リモート参列」じわり…訃報も香典もオンラインで完結
「県境をまたぐ移動の自粛」が呼びかけられる中、じわじわと広まってきているのがリモート参列だ。
「去年の4月、お父さまの葬儀に参加できなかったアメリカ在住の方に、葬儀の様子をフェースタイム(iPhoneのビデオ通話アプリ)で映し、お送りしたのがきっかけです」と公益社広報の土井佐季さん。同社では昨年7月からWi-Fi機器や三脚などを用意。遺族がスマホやタブレットで葬儀の様子を撮影して配信。参列を断念した人たちが、居ながらにして“参列”できる仕組みが整った。
「たまのや」(福島市)は専用カメラを用意し、パソコンにつないでユーチューブ発信する。「先日もオーストラリアのご親族が画面を通して“参列”されていました」と営業1課の杉原健さん。広がりに地方差はない。
葬儀の「オンライン化」はさらに進み、「tsunagoo(つなぐ)」という訃報・香典サービスを導入する葬儀社が全国に500社以上ある。遺影を年間約36万件手がける「アスカネット」(広島市)が開発した。遺族が葬儀社と打ち合わせると、訃報がたちまち文書化され、メールやLINEで送付可能に。訃報を受け取った人はスマホ上で弔電や供花、供物をカードで決済し、葬儀会場に送ることができる。参列する場合は、名前の事前登録により生成されるQRコードを受付でかざせば記帳が省ける。