数字のカラクリ「平均額」に惑わされるな! 必ずしも実績を表しているとは限らない
40歳代の平均貯蓄額は1000万円超ーー。そんなニュースに仰天する人は大勢いそうだ。でも、ちょっとだけ安心してほしい。必ずしも「平均」が実情を表しているとは限らないのだ。
たとえば、社員5人の会社があって、1人だけ1000万円の給与をもらい、残る4人は300万円だとしたら、給与総額は「1000万+300万×4」で2200万円。この会社の平均給与は「2200万÷5」で440万円という計算になる。
社員5人は、それぞれの給与額を知らない。平均額だけ公表されると、4人の社員は「平均以下か……」とガックリだ。ところが、この会社の給与の中央値(金額順に並べたときの真ん中)は上からも、下からも3番目の300万円。4人の社員はホッと胸をなでおろすに違いない。
「中央値」のほうが実態に近い
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上世帯、2020年)は平均額に加え、中央値を掲載している。実はこっちのほうが平均値より「標準的」な数値といえるかもしれない。
預金や株など「金融資産の保有額」を見ると40代の平均額は確かに1000万円超えだ。でも、中央値は520万円。この金額がちょうど真ん中ということ。
「平均」に振り回されない「数字の見方」を身に付けると、家計の見直しに余裕が生まれるかも。