テッケムンvsゴンサラン! 支持層が分かれる文在寅前大統領と新ファーストレディー
今月、尹錫悦(ユン・ソンニョル)新大統領が誕生した韓国だが、退任した文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は韓国の大統領にしては珍しく4割超という支持率のまま任期を終えることになった。2000年以降、韓国の大統領はいずれも任期終盤で支持率を25%前後まで落としている。文前大統領は異例中の異例で、支持層は30~40代が多く、特に女性からの人気が高い。文前大統領を支持していた韓国人女性も「国民から愛された大統領でした」と、しんみり語る。
文前大統領は就任当初から自らを“フェミニスト大統領”と呼び、清廉潔白に見せていた。その演出を手掛けていたのは当時の秘書官で、文前大統領が若い側近たちと一緒に白いワイシャツ姿でコーヒーを片手に談笑しながら青瓦台(大統領府)を歩く姿を公開。その姿は人気マンガ「花より男子」のイケメン4人組にちなみ“青瓦台F4”と呼ばれ、国民にクリーンな印象を与えた。当時の人気ぶりは大統領というよりも、まるで銀幕のスターのようだった。
文前大統領の支持層を示す文派(ムンパ)という造語も生まれ、特に熱狂的な支持者は「頭がカチ割れても文在寅(テガリ=頭が、ケジョド=壊れても、文在寅)」の略で、“テッケムン”と呼ばれた。こうしたテッケムンの人たちは、何が起ころうと文前大統領を責めることはない。悪いことはすべて朴槿恵(パク・クネ)元大統領のせい。不動産の高騰、経済格差の拡大、戦後最悪といわれる日韓関係などの悪材料についても「保守系メディアの策略」と言い切る韓国人女性もいた。その結果、大統領選では野党に敗北し、政権交代となったのだ。