安倍元首相の軽挙妄動に“応援メディア”も異例の批判論調…そして始まった岸田首相との暗闘
<「私と麻生さんがやってきたことを否定するんですか」
5月23日、元首相の安倍晋三(67)は議員会館の自室に呼んだ元財務相の額賀福志郎(78)に険しい表情でこう迫った>
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5日の読売新聞にこんな政局記事が載っていた。額賀氏がトップを務める自民党の「財政健全化推進本部」がまとめた提言を、アベノミクスの否定と受け止めた安倍元首相がヒステリックに騒いだというのだ。
<首相の岸田文雄(64)周辺は「もっとどっしり構えているべきなのに、何か焦りを感じる」と不審がる。麻生も安倍に「政府への注文が露骨すぎる」との思いを抱くとされる>
3日の朝日新聞も、安倍元首相が推進本部で事務局長を務める自派閥議員に電話をして「君はアベノミクスを批判するのか?」と“ドーカツ”した一幕を書いていた。電話を切った安倍元首相は、周囲に「誰があんなバカな提言を書いたんだ」と言い捨てたという。
政府の方針に文句をつけてばかりの安倍元首相と岸田サイドのさや当ては多くのメディアが報じているが、安倍応援団だった読売新聞までもが安倍元首相の妄動を「焦り」「不審」などと書くのは異様だ。
「母校である開成高校への思い入れが強い読売の渡辺恒雄主筆は、同窓の岸田さんを応援している。政権運営に横やりを入れる安倍さんのことは快く思わないでしょう」(開成OBの金融関係者)
参院選で圧勝した岸田総理が独り立ちし“安倍はずし”
3日夜は読売本社のビューラウンジで渡辺氏と岸田首相、井上信治前万博担当相、城内実衆院議員が会食。参加した国会議員は全員、自民党の開成高校OBだ。渡辺氏と開成OBの会は今年に入って2回目。前回の1月も同じ場所で、岸田首相、城内氏、小林鷹之経済安保担当相というメンバーだった。
「大メディアが安倍さんに批判的な見方を報じるようになったのは、参院選で圧勝した岸田総理が独り立ちし、“安倍はずし”に動くと見ていることも大きい。岸田さんも安倍はずしのタイミングを見計らっている。それに安倍さんは気づいているから、何かと岸田政権に注文をつけて、プレッシャーを与えている。存在感を誇示するのに必死なんでしょう。こんなこと言うと、また『誰の発言なんだ!』と怒られそうですが……」(自民党関係者)
安倍元首相本人に加えて、暴言連発の細田衆院議長や、自身のHPに「世界美人図鑑」と題して女性の写真を掲載していた西村前コロナ担当相など、このところ安倍派は問題を起こしてばかりで、政権のリスクになっている。これでは、安倍元首相がいくら大立ち回りを演じたところで、党内からも世論からも白眼視される一方だ。