【豚肉のニンニクみそ巻き】「自家製みそ」は肉もご飯も野菜もイケる
レシピ提供者 藤村千鶴子さん(3)
待ちに待った田子町産の掘りたての生ニンニクが、クール便で届いた。5月にガーリックセンターにネットで注文しておいたものだ。Lサイズが8玉入っており、ズシリと重量感がある。1玉は普段食べている市販のニンニク(国産だが産地不明)より大ぶり。A4の紙には食べ方、保存法、生ニンニクレシピなどが表裏びっしりと書かれている。
いや、何よりその日が休みでラッキー。「どうやって食べるか?」と考えただけで、ムフフな気分になってきた。早速、スーパーに走り、カツオの刺し身とタタキ、ついでに最近お気に入りのキリンのクラフトビールを買ってきた。
そして、夕方。1片をすりおろす。と、ニンニクから汁が滴る……。何だ、この水分の多さは! コレが生ニンニクのスタミナ汁か? 隣からチラ見した妻は「あら、大根おろしみたい(みずみずしいの意味らしい)」と言ったが、いくら何でもそれは表現がオーバー。よしよし、香りも強い。そして、イザ、旬の初物を。カツオ刺しをちょいと醤油につけ、別皿のすりおろし生ニンニクをのせてパクリ。辛い! といっても、爽やかな辛さ。初夏の早朝、外気に触れた瞬間のような心地いい刺激だ。今度はタタキにニンニクをのせ、醤油を垂らしてスライスした新玉ネギと一緒に口へ。コレもイケる。シャキシャキの食感の一方で、生ニンニクの辛さが連続ジャブのように口中を連打する。そこへビールを流し込んでも辛さは残っている。生ニンニクの風味は格別なのだ。
以来、すりおろしてニンニク醤油にしたり、野菜炒めに加えたりして、5日連続で生ニンニクを食べ続けている。1日1片程度だし、マスクをしているので臭いは気にならない。ここ2、3日、日中の気温が急上昇して汗をかいたものの、体調はすこぶる良好。ドライブや野菜の世話など、普段の生活と違うことをやりたい気力が湧いてきたのは、ニンニク効果なのだろうか? しばらく様子を見ることにしよう。
さて、藤村さんが繰り出す3つ目のレシピは、酒のツマミはもちろんご飯にも合う。なんてったって、「自家製ニンニクみそ」が決め手だ。藤村さんが言う。
「ウチでは、ほぼ毎日、食卓にニンニクみそがあります。作り置きして今回のように肉に巻くだけじゃなく、ご飯にちょっとのせたり、コレで豆腐を食べたり……。生キュウリにつけてもおいしいし、ゴマドレと和えると風味が出て使い勝手が広がります」
ゴマ風味なら生野菜やゆで野菜にもピッタリか。案外、コレが中年オヤジの野菜不足を補う助っ人になるかもしれない。ちょうど夏野菜が出回り始める季節。ぜひ、自家製ニンニクみそ作りに挑戦してみよう。
◆材料(2人分)
・豚バラ肉 80~90グラム。長さ20センチ 程度を4枚
・ネギ 1本
・みそ 60グラム
・酒 10グラム
・砂糖 10グラム
・米油 小さじ2(サラダ油可)
・ニンニク 2片
◆作り方
(1)最初にニンニクみそを作る。ニンニクをすりおろし、みそ、酒、砂糖と合わせる(A)。鍋に米油を入れ、弱火で(A)を5分くらい焦げないように注意しながら炒め煮する。
(2)豚肉1枚を広げて半分くらいまでニンニクみそを塗り、肉の幅とほぼ同じ長さに切ったネギをのせてクルクル巻く。
(3)フライパンに米油を入れ、巻いた肉全面が焼けるように動かしながら弱火で6分くらいフタをして焼く。その後、フタを取り、中火にして焦げ目がつくまで3分程度焼いて出来上がり。焼き時間は肉の厚さで調整する。
【ひと口メモ】
ニンニクを食べると元気が出る──。この定説にはキチンとした理由がある。
「ニンニクには血管を拡張する、肝臓の機能を改善する、免疫を活性化させるなどの働きがあります。これらの作用をひっくるめて“元気が出る”という表現に置き換えているのだと思います」(元弘前大学医学部教授・佐々木甚一氏)
つまり、毎日ニンニクは60歳オーバーのおじさんたちのカラダに好意的な刺激を与える存在ということだ。