60歳からの株投資には「8つの法則」が 株式アナリスト櫻井英明氏が説く
今年5月から個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の制度が変わり、60歳未満だった加入年齢が65歳未満に延長された。つみたてNISAの拡充も検討されている。ただ、イデコやつみたてNISAは投資信託が中心。個別株の売買はできない。老後資金を減らさないための“安全運転”は大切だが、個別株でも比較的、損をしない方法もある。そして何より、ボケ防止にピッタリだ。
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60代からの株取引はできればスマホは避けたい。画面が小さく、手違いも起きやすい。何より、移動中に株価チェックができるので、保有株の下落が気になり心が落ち着かなくなる。
「できることなら決まった場所に置いてあるパソコンで、さまざまなチェックをして下さい。スマホだと株価が激しく動いていると、衝動的な売買をしてしまいます。60代のシニア世代は、ある意味のんびりと投資すべきでしょう」
こう語るのは、「60代から楽しくはじめる『株』1年生」(明日香出版社)などの著書で知られる株式アナリストの櫻井英明氏だ。
■取引は朝の1時間だけ
大切なのは朝9時前後の1時間。定年退職後は現役世代と違って、時間に余裕があるのは強みだ。東証の売買がスタートするのは午前9時。その30分ほど前にパソコンで世界のニュースをチェック。売買するのは、寄り付きから30分間だけ。そう決めておけば、株取引に振り回されることはない。
ただし、日々のニュースなどは新聞やテレビなどで頭に入れておくこと。これを心がけるだけでボケ防止に役立つ。
さて、実際に株売買をスタートするとなるとハードルは高そうだが……。
「60代からの株8則というのがあります。濡れ手でアワは目指さない、これと決めた銘柄と長く付き合うなどです。銘柄探しは、現役時代に関係のあった企業や業界からです。自分の知っている世界に投資する。シニア世代の財産といえます」(櫻井氏)