淀ちゃん騒動が核心をつく 大阪・松井市長への“忖度”体質…博物館のクジラ標本要望を伝えず?

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 いかにもバツが悪い。大阪市の淀川に迷い込んで亡くなり、今月19日に紀伊半島沖に沈められたマッコウクジラ「淀ちゃん」について、松井市長が24日、担当部局が市立自然史博物館から「骨格標本にしたい」との申し出を受けていたことを明らかにしたのだ。

「海にかえしてあげたい」とポエムのような「思い」を語っていた松井市長は、処分方法が検討されていた17日、「具体的に標本を引き取るという申し出はありません」と断言していた。その2日後には海に沈めるスピード処分が行われた。

 日刊ゲンダイは18日発売の紙面で、市の担当部局が本紙の取材に「標本の引き取りの申し出がなかったわけではなく、何がベストか検討している」と答えたこと、市立博物館が「骨が欲しい」と市の担当部局に既に伝えていたことを報じている。博物館の学芸員は「大型クジラの生態はまだよく分かっておらず、貴重な資料です。標本として教育の場でも使えます」と本紙に語っていた。

 つまり、明らかに博物館からの要望はあったわけで、担当部局はそれを知っていたのに、なぜスルーしたのか。処分が済んだ後で松井市長が一転、発言を翻したのはどういうことなのか。市の担当部局に聞くと、気まずそうにこう言った。

「現場で研究者などから声が上がっていることは市長に伝えました。博物館側から埋設処理を取るのであれば、標本を欲しいと連絡がきたが、海底沈下することを決めたので、結果、市長への報告には至っていません」

 一方、博物館側は「処理方法の提案をしたが、市長まで伝わっていないようです。処理方法は自治体の方針に従います。処理を急がなければならないということも理解できる。どっちが悪いか争うつもりはありません」と話した。

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