“私大トップ”のリアル…慶大は合格者の入学比率最多、早大は海外留学生数全国1位に
(教育ジャーナリスト・木村誠)
「独立自尊」が校風の慶應は、元塾長の安西祐一郎氏が入試改革の旗を振ったにもかかわらず、自学の入試ではゴーイングマイウエイだ。ほとんどの有名私大が導入している大学入学共通テスト利用入試を採用していない。また国語を課す学部はなく、文系は小論文など、独自の入試科目タイプだ。国立大との併願者が予想より少ない可能性もあり、合格者の入学率が高い。2021年入試の実績数値(朝日ランキング「2023年版」)によると、入学定員数が2000人以上の私立大で、「合格者のうち入学する比率」が一番高いのが慶應で39.4%、続いて早稲田が32.8%との順となっている。
慶應SFC(湘南藤沢キャンパス) の総合政策や環境情報のように一般選抜が「AO入試」タイプだと、学力偏差値を気にしても仕方がない。そのせいかOBもユニークな人材が多いといわれる。
一方、早稲田は在野精神を失い、政経が共通テストを一般入試で必須化するなど、文科省の入試改革路線を同調しているという声がある。最近は「国際教養学部」が注目を集めており、海外留学生数では全大学1位だ。平成の時代に理工学部を基幹・創造・先進の3学部に、文学部を文・文化構想の2学部に再編した。理工では先進理工が学力偏差値を上げている。