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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

青学初等部の志願倍率が上昇…秋篠宮家の“学習院離れ”で御三家トップ慶応幼稚舎に迫る勢い

公開日: 更新日:

 5月13日朝8時過ぎ、青山学院初等部の正門前にリクルートスーツに身を包んだ20人近くの男女が並んでいた。

 幸い、雨の予報ながらまだ降りだしていない。就職面接があるのではない。彼らは11月1~7日に行われる同校入試を目指す子どもの保護者たちだ。9時から今年最初の学校説明会が開かれるのだ。

 慶応幼稚舎、学習院初等科とともに私立小学校御三家の一角を占める青学初等部。元々、根強い人気を誇っていたが、最近はさらにそのカーブが急上昇しているという。背景には「秋篠宮家の学習院離れがある」と幼児教室経営者は話す。

 秋篠宮さまは幼稚園から、紀子さまは初等科4年から学習院だが、長男・悠仁さまは幼稚園~中学はお茶の水女子大付属、現在は筑波大付属高2年。一度も学習院に通われたことはない。姉2人も高校までは学習院だったが、大学は国際基督教大を卒業している。

「敬遠するようになった理由ははっきりしませんが、秋篠宮家の動きによって学習院ブランドが凋落したのは事実。学習院初等科を目指していた層が青学に流れ、人気ナンバーワンの幼稚舎に迫る勢いなのです」(前出の経営者)

■人気女優とタレント妻の“ボスママ争い”が12年に勃発

 悠仁さまがお茶の水女子大付属小に入学する4カ月前の2012年12月、青学初等部では大きな騒動が起きていた。子どもを同校に通わせる人気女優とプロ野球出身のタレントの妻との間でボスママ争いが勃発していたのだ。女優はマネジャーに命じ、タレントの新築の白い壁に赤いペンキで「バカ」「アホ」などと落書き。それから1年半以上経って、週刊誌がこの事実をスクープした。

「その後、女優はブログでいじめを受けていたと告白。すると、タレント妻一派のママ友たちがいじめをしていたのは向こうのほうだと猛反撃。女優の子どもは転校を余儀なくされた」(女性誌記者)

 まもなく、この女優は芸能界から引退。後味の悪い結末となった。一連の事実を知って「愕然とした」と振り返るのは同校出身で青学の同窓会組織「青山学院校友会」の役員も務めた人物。

「学年は違うんですが、ちょうどこの頃、うちの孫も初等部に通っていて、学内でも相当な話題になっていた。児童も保護者もおっとりした人が多く、こんな話はこれまで聞いたことがない」

 青学初等部の志願倍率は例年、4倍台後半から6倍台。ところが、週刊誌報道から3カ月後に行われた15年度入試(14年秋実施)の倍率は3.95倍。「近年、4倍を切ったのは記憶にない」(青学関係者)という。

 ただ、それほどダメージを引きずることはなかった。やはり青学ブランドは強く、学習院の低迷もあり、徐々に人気は回復。23年度の志願倍率は7.15倍と「知る限り過去最高」(同関係者)を記録した。今年の入試も狭き門になるのは間違いなさそうだ。



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