著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

青学初等部と梨園を結びつけた12代目市川團十郎 注目の市川團子は大学までエスカレーター

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 激震が走る歌舞伎界。そうした中で一躍注目を集めているのが香川照之の長男・市川團子だ。明治座で急きょ、市川猿之助の代役を務めた。わずか1日の稽古ながら、猿之助の十八番の宙乗りを見事披露した。現在、青山学院大文学部2年。小学校(初等部)からずっと青学に通っている。

「青山学院初等部には梨園の人たちが多い。僕らの時代もすでに在学していた」と話すのは70代OB。青学全体(幼稚園~大学)の同窓会「青山学院校友会」の元役員だ。今や青学初等部といえば、歌舞伎役者の子弟が真っ先に思い浮かぶほど。先鞭をつけたのは歌舞伎界の一番格上の名跡である「市川團十郎」(成田屋)の12代目だ。

「すごくおとなしい性格で同級生からは“のんびり閣下”と呼ばれていたそうです。まさに青学らしい生徒だった」(OB)

 12代目が青学にいたのは高校まで。大学は日大芸術学部に進んだ。長男の11代目市川海老蔵は昨秋、13代目團十郎を襲名。幼稚園から青学に通った。なお、12代目が幼少の時代は青学には幼稚園がなかった。1945年の東京大空襲で焼失し、61年に再開した。

 13代目團十郎は青学高に上がる頃から舞台が忙しくなり、高1を留年。高3に上がる際、堀越高に転校し卒業した。

ママ友の中心となって活動した三田寛子

 成田屋に次ぐ屋号である「音羽屋」からは尾上菊之助が初等部から大学まで青学に通った。

 初等部に在学していた歌舞伎役者を挙げだしたら切りがないが、「そんな中でも最も印象的だったのは中村芝翫さんの家族」と振り返るのは青学関係者。芝翫自身だけでなく、長男・橋之助、次男・福之助、三男・歌之助も初等部に通った。現在は3人とも舞台で活躍中だが、この関係者が称賛するのは芝翫の妻である三田寛子だ。

「ママ友の中心となって、率先して学校の手伝いをしてくれた。困っている保護者がいれば相談に乗ったりと面倒見の良さには舌を巻くほど。といって、リーダー風を吹かすわけでもないので、誰からも好かれていた」(同)

 三田は京都生まれの京都育ち。おっとりした性格が青学の校風にマッチしていたのだろう。水を得た魚のようだったという。様相が一変するのは三男が4年生の時。芝翫の父(7代目芝翫)が亡くなり、以降、襲名準備のために学校に来られる頻度が大幅に減ってしまうのだ。

「三田さんの姿をほとんど見なくなって、校内の雰囲気が急に悪くなってしまうのです」(同)

 まもなく、初等部に子どもを通わせる人気女優とプロ野球出身タレント妻との間でボスママ争いが表面化。険悪な雰囲気の中、すっかり嫌気が差した保護者たちは学校の活動にも消極的になっていく。ママ友同士の交流も減っていたが、「ようやくその後遺症もなくなり、和気あいあいとしたムードが徐々に復活している」(同)という。



◆田中幾太郎の著書「名門校の真実」」(1540円)日刊現代から好評発売中!

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