鳥は人間が考えるよりも賢い 「鳥よけスパイク」はぎ取り巣の要塞化に活用

公開日: 更新日:

 ベランダの手すりなどに取りつけて、鳥の飛来や侵入を防ぐ「鳥よけスパイク」。金属製ロッドや剣山などで鳥の着地を妨害するものだが、最近、カラスやカササギがこの鳥よけスパイクをはぎ取り、自らの巣を要塞化する例が世界各所で確認されているという。

 オランダのロッテルダム自然史博物館とナチュラリス生物多様性センターの研究グループが今月11日、ロッテルダム自然史博物館の年鑑に論文を発表した。

 写真(ロッテルダム自然史博物館の年鑑から)はベルギーのアントワープの病院の敷地内に作られたカササギの巣。病院建物から約1500個の鳥よけスパイクをはぎ取り、このような堅牢な巣を作ったという。

 鳥の巣の専門家のオーケ=フロリアン・ヒエムストラ氏は英BBCにこう語った。

「この巣を見て呆然としました。これまでに見た中で最もクレージーな巣です。信じがたい要塞であり、掩蔽壕(えんぺいごう)です。鳥を遠ざける鳥よけスパイクを巣に使うなんて、これは『美しい復讐』です」

 バーミンガム大学の鳥類学者、ジム・レイノルズ博士も「鳥よけスパイクを自分たちの目的のために利用するという皮肉に、心から衝撃を受けました。彼らは私が考えていたよりもさらに素晴らしかった」と語った。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  2. 2

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  3. 3

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  4. 4

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  5. 5

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  1. 6

    東京・荒川河川敷で天然ウナギがまさかの“爆釣”! 気になるそのお味は…?

  2. 7

    8月の食品値上げは前年同月の1.5倍! インフレあおる無策日銀のせいで庶民生活は「限界突破」

  3. 8

    コメどころに異変! 記録的猛暑&少雨で「令和の大凶作」シグナルが相次ぎ点灯

  4. 9

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  5. 10

    「イネカメムシ」大量発生のナゼ…絶滅寸前から一転、今年も増加傾向でコメの安定生産に黄信号

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず