高級腕時計店で万引か…疑いの目で客を監視したら女性店員から「あっち向いてて」と怒られた

公開日: 更新日:

 だが、ときには勘違いもある。こんなことがあった。若い2人連れの男性客がふらりと来店し、腕時計の陳列ケースを見始めた。例の矢島さんは次々とガラスケースから商品を取り出して客に見せ、説明をする。

 このとき気になる現象が起きた。腕時計4本をケースの上に出したまま矢島さんがその場を離れたのだ。その際、彼女は「万引されないよう見といて」というふうにチラリとこちらを見た。

 すると間髪入れず、新たに2人連れの男性客が来店し、迷うことなく腕時計コーナーに近づいて商品を見始めた。高級腕時計が放置された場所に4人の男性客が立っている。

 ふと思った。「これは組織的な万引ではないか」と。以前、中国人の女性から「新品のロレックスが欲しかったら、10万円で調達してあげます」と持ち掛けられたことがある。彼女は手口も教えてくれた。中国人の窃盗グループが観光客を装って商品を見学。一人が店員の注意をそらしている隙に仲間が商品を奪っていくという話だった。

 もしかしたら目の前で腕時計を物色している2組(4人)の男たちはグルの窃盗団かもしれない──。そんな疑いの目で監視しているうちに4人とも何も買わずに店から出ていった。彼らを見送ったあと、矢島さんが目を吊り上げて私を振り返り、腕時計売り場と正反対の方向を指さしてこう言った。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    農水省は「生産量が需要を大幅に上回る」と…“コメ余り”予想でも新米価格が下がらないワケ

  2. 2

    万博協会が中学生記者への記者証発行めぐり醜悪な“たらい回し”…「取材に行きたい」だけなのに!

  3. 3

    「共生社会のお手本」群馬県大泉町のいま 参院選でなぜ参政党候補が最多得票だったのか

  4. 4

    どうなる新浪剛史氏…潔白を主張しても疑いが晴れないところが薬物事件の怖さ

  5. 5

    小林鷹之氏と旧統一教会のズブズブ…総裁選出馬会見で突っ込まれ“逃げ”のトーンダウン

  1. 6

    若手社員に「残業キャンセル界隈」増加中だって? それなら管理職は“指導キャンセル界隈”で

  2. 7

    松本若菜『わたしの宝物』で注目の「托卵妻」って? 識者が予想する“生息率”に男性はゾゾッ確実

  3. 8

    丸亀製麺「年収最大2000万円」の仰天…「外食チェーン店長=稼げる」時代がやってきた?

  4. 9

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  5. 10

    9月19日から運用開始「スマホ保険証」はほぼ無意味…医療機関や患者を惑わす数々の“落とし穴”も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    概算金が前年比で3~7割高の見通しなのに…収入増のコメ生産者が喜べない事情

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(45)勝新太郎との交友「図体や印象より、遥かに鋭利なものを持っていた」

  1. 6

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円? DeNA戦で市場価値上げる“34戦18号”

  2. 7

    高市早苗氏の「外国人が鹿暴行」発言が大炎上! 排外主義煽るトンデモ主張に野党からも批判噴出

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希は「ひとりぼっち」で崖っぷち…ロバーツ監督が“気になる発言”も

  4. 9

    ロッテ佐々木朗希の「豹変」…記者会見で“釈明”も5年前からくすぶっていた強硬メジャー挑戦の不穏

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に