「気をつけ!」「敬礼!」ドアマン警備員のバイト研修で軍隊式訓練の驚愕

公開日: 更新日:

警備員編

 というわけでドアマンのバイト面接に合格。ただし、ドアマンといっても、実際は都内の高級ブティックの出入り口に立つ警備員のような仕事だ。採用されたのも警備会社だった。

 数日後、研修を受けることとなった。マンションを改装した事務所の小さな会議室に私を含めた4人が集められ、全員が着席する。

 定刻になった。講師の加藤氏(仮名)が4人に向かって「はい、起立!」と掛け声をかける。声の調子が軍隊式なので戸惑ったが、他の3人はこうした研修に慣れているようで、さっと立ち上がる。

「敬礼!」──。加藤氏の指示に彼らは直立不動で頭を下げる。何だこれは? まるでドラマで見る警察の捜査会議ではないか。

 講師の加藤氏は元警視庁の警察官で、この警備会社の顧問を務めている。そのため警察や軍隊の統率方法を採用しているわけだ。あとで聞いたら、3人とも警備員の経験者で、こうした軍隊式の研修に何の違和感も覚えないそうだ。

 加藤氏はまず自分の職歴を語り、次に会議室の壁に掛けている警備指導員の免状を指し示して「私はこうした資格を得て研修の講師をしているわけです」と説明。その際、彼は右手に持った交通誘導灯(工事現場などで誘導員が持っている道具)で免状をボンボン叩いていく。少し乱暴だ。というより、これは一種の威嚇だと思う。シェパード犬の調教のように最初にガツンと上下関係をはっきりさせようという意図が見え見えだ。私はこうした姿勢を「支配的労務管理」と呼ぶことにした。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  2. 2

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  3. 3

    東京・荒川河川敷で天然ウナギがまさかの“爆釣”! 気になるそのお味は…?

  4. 4

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  5. 5

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  1. 6

    コメどころに異変! 記録的猛暑&少雨で「令和の大凶作」シグナルが相次ぎ点灯

  2. 7

    8月の食品値上げは前年同月の1.5倍! インフレあおる無策日銀のせいで庶民生活は「限界突破」

  3. 8

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 9

    「イネカメムシ」大量発生のナゼ…絶滅寸前から一転、今年も増加傾向でコメの安定生産に黄信号

  5. 10

    参政党さや候補のホストクラブ投票キャンペーンは、法律的に公選法違反になるのか

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃