ストレスが限界! 高級ブティックのドアマンの仕事は「ナチの拷問」だった

公開日: 更新日:

 ストレスも大きい。周囲にいる女性スタッフは世間話や打ち合わせをしているのに、私はたったひとりで黙っている。彼女たちと私の間には深い亀裂が横たわっている。

■自分とは何なのか…

 客が入ると「いらっしゃいませ」と声を発することができる。その一言を口にしたい。しゃべってストレスを発散したい。店の前で人が立ち止まり、店内をうかがうたびに「入れ、入れ」と心の中で呼びかけている。この仕事をすると、自分とは何なのかを自問することになる。

 あるとき外国人の客に「メンズはどこ?」と質問され、簡単な英語を返した。そのとき思った。どうせ退屈なのだから、この際、英会話の基本センテンスを覚えて反すうしてはどうかと。

 警備会社の規定でマスク着用が義務付けられている。マスクの中でボソボソしゃべるのは問題ないだろう。

 そこでユーチューブにアップされている英会話を覚え、小声でしゃべる練習をした。もちろん、そんなものではストレスをすべて解消できない。あまりのストレスに、昔の思い出が脳裏にちらつき、独り言を漏らすこともしばしば。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ