クリエイティブディレクター山﨑晴太郎氏に聞く 忙しい現代人の「心の余白」の作り方
子どもは「第3の居場所」があると自殺率が低下
──サラリーマンはどうすればいいですか。
今の時代、サラリーマンの転職も普通になってきましたよね。昔のような終身雇用制度が絶対ではなくなってきたため、一度逃げたら他に行けないといった考え方は過去のものです。ただ、多くの人が盲目的になっていて、電車に乗っている人たちは、辛そうな人も多いなと思っています。
──転職先でうまくいくか分からず、一歩を踏み出せないのかもしれません。
そうしたら、また転職すればいいのかな、と。あくまで転職や転校は選択肢のひとつ。本当に守らなければいけないものは何なのか、を考える話になってくるんでしょうね。
それはおそらく、変化を拒絶して、その場で頑張り続けることではないはずです。自己を大切にするとか、自分らしく生きるほうが大事です。
しかし、本来取るべき選択肢すら判断できなくなっているのであれば、社会が健全な状態ではないと言えるでしょう。
──ストレスで精神を追い詰められる人もいます。
心が余白を失い、ギチギチの状態になると追い込まれてしまうわけです。すごく不幸な環境だと思います。そうなる可能性は誰にでもあり、逃げ場がないのは、本人の問題ではなく、環境が悪いから。手を差し伸べるべき周囲の人も、余裕がなかったのかもしれません。
子どもは学校と家庭に加えて、第3の居場所があると、自殺率が低下すると言われています。居場所が2つしかないと、余裕が失われるけれど、習い事や仲間がいる場所がもう一つあると、逃げ場という余白が生まれます。自分には居場所があると思えれば、前向きになれるはずです。
──若者にはどんなアドバイスをしますか。
自分を潰されないように、と切に願います。何かに悩んだ時、その発言や思考は、誰のものなのか? を考えてほしいです。上司や社会のコメントじゃないの? って。知らず知らずのうちに、だんだんと思考が浸食されてくるので、自分の軸にある大事なものを見失わないようにしてほしいと思っています。
(聞き手=白井杏奈/日刊ゲンダイ)
▽やまざき・せいたろう 1982年、神奈川県出身。アートディレクター、アーティスト。株式会社セイタロウデザイン代表。3児の父。株式会社JMC(東証グロース)取締役兼CDO。株式会社プラゴCDO。ブランディングを中心に、グラフィック、WEB・空間・プロダクトなどのアートディレクションを手がける。「社会はデザインで変えることができる」という信念のもと、各省庁や企業と連携し、様々な社会問題をデザインの力で解決している。グッドデザイン賞金賞や日経MJ広告賞最優秀賞など、国内外の受賞歴多数。各デザインコンペ審査委員や省庁有識者委員を歴任。2018年より国外を中心に現代アーティストとしての活動を開始。TBS「情報7daysニュースキャスター」、日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」にコメンテーターとして出演。主なプロジェクトに、東京2020オリンピック・パラリンピック表彰式、旧奈良監獄利活用基本構想、JR西日本、Starbucks Coffee Japan、広瀬香美、代官山ASOなど。
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