新米出荷で在庫復活でも…急な価格高騰をコメ農家が喜べない複雑事情

公開日: 更新日:

 この夏、日本を直撃したのが、スーパーや量販店の棚からコメが消えた“令和の米騒動”。

 9月に入って令和6年産の新米が出回り始めたことで在庫状況は改善しつつあるものの、価格は昨年に比べて軒並み高騰している。

 昨年5キロ2000円程度だった新潟県産の新米の店頭価格が、今年は3500円を上回る見通しだ。今回の在庫不足が価格に影響しているという。

「コメの金額を決めるのは、各都道府県の農協が集荷時に農家に支払う『概算金』といわれる玄米60キロ当たりの仮払金です。しかし、今年は概算金が出揃う前に、量を確保したい卸売業者が例年の概算金を上回る金額を農家に提示し、直接買い付けに走った。これに慌てた各農協が前年比プラス8000円の概算金を出すなどした影響で、新米の店頭価格が吊り上がっている状況です」(米流通評論家・常本泰志氏)

 現在の価格は10月末ごろまで続き、その後、緩やかに落ち着いていくとみられている。今の価格は例年にないほど上昇し、コメ農家にとって大幅なプラス要因だが、喜んでばかりもいられないという。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも