新米出荷で在庫復活でも…急な価格高騰をコメ農家が喜べない複雑事情

公開日: 更新日:

■高齢化やコスト高で進む離農とコメ離れ

「肥料や燃料、物流などのコスト高に加えて農家の高齢化、後継者不足による離農、廃業の増加、作付面積の減少など、今の農家を取り巻く環境は厳しいものがあります。今回のような騒動が再び起こる可能性は非常に高い。日本人の主食であるコメの供給は、食の安全保障の観点からも維持していかなくてはなりませんが、何よりコメが儲からない状況が続いているので新規就労は増えていません」(常本泰志氏)

 今回の急激な値上がりで懸念されているのが消費者のコメ離れだが、そもそもこれまでの価格が安すぎたと常本氏は話す。

「コメは何十年も価格が低迷してきた中でも、パンや麺類の消費に押されて需要が減退していました。今回の価格高騰でコメが敬遠される恐れがあり、コメ離れが起こると再び価格が低迷します。国産米の生産を維持するには、消費者がある程度の値上がりを受け入れる一方で、政府が諸外国並みに農家支援を強化していく必要性があります」

 令和の米騒動であらわになったのが、日本の農業の脆弱性ではないだろうか。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状