【埼玉・八潮市道路陥没「2次被害」現場ルポ】発生2週間、水は濁り死んだ魚が…下水放流地で見た河川の異変

公開日: 更新日:

 埼玉県八潮市で道路が陥没した事故の発生から、11日で2週間が経った。転落したトラックの運転手(74)の安否は不明のまま、救出のめどは立っていない。

 陥没は下水道管の破損に起因するとみられ、湧き出した汚水に阻まれて救助作業は難航。埼玉県は先月29日から、事故現場に流れ込む水量を減らすため、春日部市のポンプ場から塩素で消毒した下水を近くの新方川に緊急放流している。

 消毒処理を行っているとはいえ、下水を河川に放流すれば何らかの影響は避けられない。10日、日刊ゲンダイ記者が現地を訪れると、放流地点に近づくにつれ、徐々に臭いが漂ってきた。何かが腐ったようなドブ臭さと、塩素のツンとした臭いが混ざり、鼻を刺激する。ポンプ場から伸びる4本のホースを通じて下水は流されており、川の水は茶色く濁っている。水面上をよく見ると、死んだ魚3匹がぷかぷかと漂っていた。

 河川の変化について、近所に住む70代男性はこう話す。

「確かに、放流後は臭いがするようになりました。川の近くの家はもちろん、ひどい時は川から50~100メートルくらい離れた家でも臭ってきます。魚が死んでいるのも見かけるようになりました。人命がかかっているし、緊急時だから、仕方ないと割り切っています」

 ある意味、陥没事故の「2次被害」だ。実際に水質は悪化しているのか。埼玉県の担当者に聞いた。

「現時点では調査結果の数値による評価しかできませんが、新方川で水質汚濁や浮遊物の指標が高まっていることは確認しています。魚が死んでいることについては、放流によって川底の沈殿物が舞い上がったことによる窒息死など、さまざまな要因が推測されます。特定が難しいため、特に調査などは行っていません」(環境部水環境課)

 また、県の上下水道部施設管理課の担当者は「風向きや水量の関係で、日によっては強く臭ってしまうと推測される」と話した。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    大の里&豊昇龍は“金星の使者”…両横綱の体たらくで出費かさみ相撲協会は戦々恐々

  4. 4

    渡邊渚“初グラビア写真集”で「ひしゃげたバスト」大胆披露…評論家も思わず凝視

  5. 5

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

  1. 6

    カミソリをのみ込んだようなのどの痛み…新型コロナ「ニンバス」感染拡大は“警戒感の薄れ”も要因と専門家

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  4. 9

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  5. 10

    辻希美“2億円豪邸”お引っ越しで「ご近所トラブル」卒業 新居はすでに近隣ママの名所