著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

當真あみ「ちはやふる-めぐり-」“令和の高校生のリアル”を巧みに表現

公開日: 更新日:

 ドラマの続編が映画として製作されることは多い。9日に始まった當真あみ主演「ちはやふる─めぐり─」(日本テレビ系)はその逆だ。映画の続編がドラマになった。

 競技かるたに打ち込む高校生たちを描いた、広瀬すず主演の映画「ちはやふる」シリーズ。完結編「結び」の公開は2018年だった。今回のドラマは映画版から10年後という設定である。

 主人公は梅園高校2年生の藍沢めぐる(當真)だ。「タイパ重視」で何事にも本気になれなかった彼女が、古文の非常勤講師・大江奏(上白石萌音)と出会う。

 奏は高校時代、綾瀬千早(広瀬)と共に競技かるたの全国優勝を果たした。現在は廃部寸前の梅園かるた部の顧問。これまで幽霊部員だっためぐると奏の間で起こる化学反応が前半の見どころだ。

 當真は令和の高校生のリアルを自然に表現して巧みであり、ライバル役・原菜乃華の生き生きとした表情も目が離せない。

 また、かつての登場人物たちの存在も物語に奥行きを与えている。海外で活動している千早の様子が映し出され、かるた部の仲間・駒野勉(森永悠希)とも再会できた。できれば、千早と因縁の深かった綿谷新(新田真剣佑)やクイーンこと若宮詩暢(松岡茉優)の現在も見てみたい。

 映画版の主要スタッフが参加しており、懐かしさと新鮮さで二度おいしい続編となっている。

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