大阪万博の目玉リング「市民公園」活用案に早くも漂うグダグダ感…コストは維持・管理含め約60億円
■未払い問題の解決が先
万博協会の試算によれば、飲食店なども出店できる建築基準法上の「建築物」として残す場合、防火対策が必要となり、改修費は約76億円に上る。屋根部分のみを残す「展望台」でも約41億円。ここに10年間の維持・管理費用として約16億円がかかる見通しで、市営公園として残す場合でもランニングコストを含め約60億円はかかりそうだ。
財源には万博運営費の余剰金や国からの補助、民間からの寄付などを当て込む方針だが、見通しが立たなければ、民間事業者の公募に戻す可能性もあるといい、早くもグダグダ感が漂う。そもそも跡地利用のためのカネがあるなら、万博パビリオンの未払い問題の被害者救済に充てたらどうか。
未払い問題に関しては万博協会も大阪府も、「当事者同士で解決が基本」とのスタンスで事実上、静観している。一方でリングの保存・管理を民間事業者に求めるのは、あまりに虫が良すぎる。今月30日には国会内で「万博未払いを許さない集会」が開かれる予定だ。
案の定、リングの市営公園化についてSNS上は大荒れ。〈未払い工事費立て替えたれよ〉〈試算なんて安く見積り高くなるのが今までのパターン〉など辛辣な意見が並ぶ。閉幕後も混乱は続きそうだ。
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