著者のコラム一覧
髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

検事が事件の参考人から接待を受けていた…どんな影響が出る?

公開日: 更新日:

 つい先日、佐賀県警の科学捜査研究所において、職員がDNA型鑑定の結果を偽ったことが判明し、大きな問題となりましたが、またしても刑事手続きの信用を失墜させるような事件が起きてしまいました。千葉地方検察庁は10月17日、30歳代の男性検事が事件の参考人として取り調べを行った者から、その事件の終結後に計27回、総額109万円以上の接待を受けたとして、その検事を停職10カ月の懲戒処分としたことを発表しました。なおその男性検事は同日付で退職したとのことです。

 検察官は、犯罪や事件を捜査した上で、その事件の被疑者を起訴するか、不起訴にするかを決定する権限を有する唯一の職業です。このことを「起訴独占主義」と言います。そのような強力な権限を有する検察官が、事件の参考人から接待を受けることはどのような意味を持つでしょうか。

 通常、検察官は、警察が捜査した事件の記録を引き継ぎ、その後必要に応じて、被疑者や参考人を呼び出し、自ら取り調べを行うことがあります。その際に、参考人から利益の供与を受けていたとなれば、さまざまな疑念が浮かんでしまいます。たとえば、参考人にとって有利な虚偽の内容の書面が作成されているのではないか、本当は参考人が真の犯人であるのに別の無関係の第三者が犯人であるという書面が作成されているのではないか……。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木麟太郎をドラフト指名する日本プロ球団の勝算…メジャーの評価は“激辛”、セDH制採用も後押し

  2. 2

    日本ハム新庄監督がドラフト会議出席に気乗りしないワケ…ソフトB小久保監督は欠席表明

  3. 3

    ヤクルト青木“GM”が主導したバランスドラフトの成否…今後はチーム編成を完全掌握へ

  4. 4

    吉村代表こそ「ホント適当なんだな」…衆院議席3分の1が比例復活の維新がゾンビ議員削減と訴える大ボケ

  5. 5

    吉村代表は連日“ドヤ顔”、党内にも高揚感漂うが…維新幹部から早くも「連立離脱論」噴出のワケ

  1. 6

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 7

    ブルージェイズ知将が温めるワールドシリーズ「大谷封じ」の秘策…ドジャース連覇は一筋縄ではいかず

  3. 8

    高市政権は「安倍イタコ政権」か? 防衛費増額、武器輸出三原則無視、社会保障改悪…アベ政治の悪夢復活

  4. 9

    今秋ドラフトは不作!1位指名の事前公表がわずか3球団どまりのウラ側

  5. 10

    亀梨和也気になる体調不良と酒グセ、田中みな実との結婚…旧ジャニーズ退所後の順風満帆に落とし穴