(25)山菜を喰いに甲府まで
先日、ふらりと出かけたら、夕方5時の開店少し前に着いたけれど、もう満席だった。なんとか席を確保して、まずはビール。お通しのレンコンの煮物がうまい。これから5月にかけては、この店に来たら山菜である。フキ、ワラビ、タラの芽、行者ニンニク、コシアブラ、いろいろある。
「フキ味噌、食べる?」
女将さんが訊いてくれるのに、即座に首を縦に振る。洗って湯通ししたフキを刻んで味噌、砂糖、酢を混ぜたもので合え、豆腐にのせてくれる。ひと箸、口へ入れると青い匂いとほのかな苦みが口に広がる。これ、これ。
「春の味じゃんね」
女将さん、にっこり笑う。
さて、酒をもらおう。高清水を燗で。昼間、春の雨が降り、多摩の自宅を出るときも少し肌寒かったが、夜の甲府はさらに気温が低い。熱くなっちゃったと出してくれた熱燗が腹にしみて気持ちがいい。
右は、常連さんが二人。左は仕事のお仲間風の3人様。奥のほうは、よくわからない。店はカウンター1本。トイレも路地の共同だが、この店には客が絶えない。私は、一人で行って、飲んで、帰るだけだから、上り最終の「あずさ」まで、ゆっくり飲む。
















