動物園で推し探し パンチ君だけじゃない!かわいさたっぷり希少動物図鑑(後編)
ラッコ(絶滅危惧種)三重・鳥羽水族館
千葉の市川市動植物園で飼育されているオスのニホンザルのパンチ君が大人気だ。一目見たさに世界からファンが殺到する。しかし、全国の動物園には、ほかにもかわいい希少動物がいる。その中から厳選して、推し候補を紹介しよう。後半の3種だ。
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ラッコは、20世紀初頭には1000~2000頭にまで減少したが、現在は手厚く保護され、野生での生息数は10万頭以上とされる。しかし2026年4月現在、国内でラッコを見られるのは、鳥羽水族館のみだ。ラッコの飼育を担当する石原良浩さんに話を聞いた。
同館で暮らすのはメイ(メス.5月9日で22歳)とキラ(メス.4月21日で18歳)の2頭。飼育下での寿命が20年前後なので、どちらも高齢だ。観察のイチオシは寝姿だという。
石原さんいわく「寝ている時は毛が乾いてモフモフになる。じっとしているので、写真も撮りやすいです。2頭が上陸して寝ている時は水面が静かなので、リフレクション写真が撮れることもあります」という。
現在、観覧は1分間ごとの入れ替え制で何度も並んで観察するファンも多い。動いているところを見たければ給餌前。食後は30分もすれば寝てしまうそうだ。
給餌時の見どころは、水槽のガラスに張り付けたイカを目がけて跳ぶ「イカミミジャンプ」だ。中でもメイは、水から体が全部出るぐらい大きく跳ぶ。
「22歳の全力ジャンプは、なかなかないと思う。私たちはアスリートと呼んでいます」(石原さん)
年齢を感じない、はつらつとした姿。命を終える瞬間まで、彼らの筋力、体力を維持するのが同館のテーマだ。
愛らしさに心が和むその裏側には、絶滅が危惧されているという現実がある。
「興味を持って観察するといろいろなことが見えてきます。キッカケは“かわいい”でもいいんです。野生の動物たちが安心して暮らせるように、例えばゴミのポイ捨てをしないなど、小さなことから、環境全体を守る意識を持って欲しい」と石原さん。
動物たちから感じる“かわいい”の先にある現実を、ほんの少しだけ想像しながら会いに行こう。
















