「日本に寄付の文化を根付かせたい」子どもたちは100円で満腹に…奈良県生駒市『魔法の駄菓子店』の仕掛けとは?
代表の石田さんがこの店を始めたきっかけは、今の福祉のあり方に疑問を持っていたからだという。自身の子どもが障害を持っていたことから関わるようになった福祉の世界。自ら放課後デイを経営する中で気づいたのは「支援する側」と「支援される側」との間の分断だった。
ひと昔前は、近所との関係がもっとフラットだった。「おすそわけ」の文化があり、たくさん持っている人が持っていない人に分け与えることが自然に行われていた。でも、いつしか近所の人との関わりが希薄になり、「弱い」人に手を差し伸べることが「たいそうなこと」になってしまったと石田さんは言う。
「日本には寄付の文化が根付いていません。寄付というと身構えてしまって『ある程度まとまったお金を出さなければいけない』と考えがちです。さらに『寄付する側』と『寄付してもらう側』の人が交わることはほとんどありません。
『チロル堂』では、大人向けのメニューにはすべてドネーション(寄付)が含まれています。一人当たりの金額はわずかですが、たくさんの人が少しずつ出し合えばそのお金で子どもたちを食べさせることができます。その対象は『困っている家庭』の子どもたちに限定されません。子どもたちすべてが大人からの『おすそ分け』を受けることができます。限定されないからこそ、本当に困っている子どもたちも、ここに来る心理的ハードルが低くなるんです」
















