(37)古都・鎌倉にて軽いハシゴ酒
- 印刷
- >> バックナンバー
- 今だけ無料
4月の柳かれいの干物もうまかったし、秋口に食べた干し鮎も良かった。酒が進むほどに、去りがたい気持ちが膨らんでくる。それでつい、飲めばあまり喰わない私としては珍しく、他の客さんの注文に便乗するような形でおにぎりを頼んだりする。さっきまで、やや緊張していたはずの私が、うまい酒肴と菊正宗ですっかり気持ちをほぐされて、いい歳こいて、甘えたいような気になっているのだ。
遠足の酒は、帰りも楽しい。グリーン車を奮発するのは、車中でもう1缶のハイボールを飲みたいからだ。日本酒で少し甘くなった口に、ウイスキーのハイボールを流し込む。これがまた、うまい。横浜を過ぎたあたりで飲み干すと、ほどなく眠りが訪れる。湘南新宿ラインに乗れたときは、このまま新宿まで眠る。新宿でもう1軒、どこかに寄るか、帰るか。それは電車を降りたときの、気分次第だ。
















