みずほ“ドロ沼”覇権争い これから始まる旧第一勧銀の奪い合い
暴力団への融資問題で、みずほ銀行の佐藤康博頭取(61、興銀出身)が下した社内処分はOBを含め54人。そのほとんどが報酬減額だったのに、3人だけ“クビ”になっている。塚本隆史会長(63)と、コンプライアンス(法令順守)担当だった小池正兼常務執行役員(54)、大谷光夫執行役員(52)だ。塚本氏はみずほFG会長を留任になったので、銀行を去るわけではないが、実は、この3人には旧第一勧銀出身という共通項がある。
みずほは旧興銀、旧富士銀、旧第一勧銀の3行が合併して誕生した。その後は主導権争いの繰り返しだが、第一勧銀は早々と脱落。現在は興銀と富士銀の覇権争いになっている。今回も詰め腹を切らされたのは“第3勢力”の第一勧銀だった。
「みずほを調査した第三者委員会が重要視したのは、なぜか第一勧銀出身者が多いコンプラ部門でした。興銀と富士銀が牛耳る融資部門や経営企画にはホコ先が向かわなかった」(経済ジャーナリスト)