著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

アリナミン製薬(下)本体の武田薬品工業はウェバー社長で本当に良かったのか?

公開日: 更新日:

 武田薬品工業の2024年3月期の有価証券報告書によるとクリストフ・ウェバー社長CEOの役員報酬は20.82億円(前年度比3.59億円増)、アンドリュー・プランプ取締役は11.54億円(同1.81億円増)、コンスタンティン・サルウコス前CFOが8.11億円(同1.20億円増)だった。

 アステラス製薬の岡村直樹社長が4.61億円、第一三共の真鍋淳会長CEOが3.86億円。これら国内勢と比べて突出している。

 24年3月期の役員報酬ランキングでもウェバーは3位だ。10位にアンドリュー・プランプが入っている。

 6月26日、大阪市内で定時株主総会を開き、ウェバーの社長続投が承認された。社長歴も10年が経った。

 株価や時価総額では第一三共が武田の上に位置する。今や武田は高収益会社でも薬品業界トップの株価・時価総額でもなくなった。

 株主総会では株主から「自己資本利益率(ROE)が低すぎる」と悲鳴に近い批判も出た。これに対してウェバーは「今の武田は規模と競争力を持つ真のグローバル企業だ」と反論した。

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