市場に走る“日銀ショック” ハゲタカの日本脱出が始まった
兜町の雰囲気がガラリと変わった。10日、日経平均は一時500円を超す下落幅を記録し、終値も1万7412円と8日ぶりに1万7500円を割り込んだ。11日も300円近く値を下げて始まり、前日比155円安の1万7257円で引けた。
「日本国債の格下げや、7-9月期GDPの下方修正という悪材料にも反応せず、年初来高値を更新してきた強気相場に暗雲が立ち込めています」(市場関係者)
相場暗転の理由として、NY株や上海株の大幅下落、円安一服などが取り沙汰されたが、真の犯人は別にいるという。
「日銀です。きのう日経平均は朝から下落基調だったのに、日銀の買いは最後まで入らなかった。なぜか? 実は9日時点で、14年末までのETF(上場投資信託)買い取り枠は残り266億円まで減っています。最近は1日あたり374億円を購入していますから、原則論からいえば、年内に買えるのは、残り1回分にも満たない。それを見越した海外ハゲタカ勢が売り浴びせたのです」(株式評論家の杉村富生氏)
■海外勢が探る「悪い円安」の分岐点