大発会からETF買い 日銀が抜け出せない“負のスパイラル”

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 日銀が大発会から動いた。きのう(4日)、日経平均は一時、前営業日比で773円(マイナス3・9%)下落。金融市場の混乱を収めるため、政府と日銀は緊急会合を開いたが、市場が最も反応したのは、この会合ではなかった。

「日銀が後場にETF(上場投資信託)を買ってくるとの観測が強まったことで、ようやく下げ止まったのです。緊急会合より効果的でした」(市場関係者)

 終値は452円安(マイナス2・3%)まで戻したが、新年初日から「買い発動」(716億円のETF購入)した日銀に対し、不安を募らせる金融マンが続出している。

 日銀は昨年1年間に6兆5040億円のETFを購入。過去最大の買い入れ額だったばかりか、黒田東彦総裁が目安としていた6兆円を軽く突破した。それだけに市場では、2019年は買い入れ額を減らすべきとの指摘が相次いだ。ところが日銀は、そんな憂いなどお構いなしだった。

■このままだと2年後に浮動株が消える

「日銀は現在、取得価格ベースで約25兆円のETFを保有しています。しかも買い入れ中心で、ほぼ売却しません。市場に流通する浮動株は減少するばかりです。今のペースで日銀が株を買い続けたら、ユニクロのファーストリテイリングは約2年後に浮動株がなくなるといわれています」(株式アナリスト・黒岩泰氏)

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