エフエム東京は役員総退陣 異例株主総会の気になる裏事情
株主総会シーズンを迎え、放送界で注目されているのが、25日(火)に開催されるエフエム東京の総会である。何しろ冨木田道臣会長、千代勝美社長など7人の取締役が退任する。役員数は11人なので、4人は留任だが、うち3人が社外取締役なので「役員総取っ換え」に等しい。
エフエム東京は第三者委員会の設置を決めた。理由は、「連結対象範囲の判断等についての会計上及び内部統制上の問題が発見された」という。185億円の売上高(17年度)を誇るラジオ界トップクラスの企業で、よほどの不祥事が起きたとみるのが自然。だが、同社関係者は否定する。
「『連結対象の範囲』という文言からして、関連会社のデジタルラジオ事業に絡むことではないか。赤字が続き、処理を巡って揉めているのは事実。ただ役員全員が責任を取る性質のものではない」
むしろ説得力があるのは、名誉相談役の後藤亘MXテレビ会長と冨木田会長との確執だ。後藤氏は、民放界最高齢の86歳ながら、13年に会長を退いてからも隠然たる影響力を行使してきた。冨木田氏はそれがイヤで、近年、距離を置き、2人の仲は険悪となった。