牛肉、赤ワインの値引き合戦 日米貿易協定発効で熱帯びる
1日付で日米貿易協定が発効し、大手スーパーでは関税が引き下げられた牛肉やワインなどの値下げセールが始まった。買い求めやすい価格になり、消費者には朗報だ。スーパー各社は消費増税で落ち込んだ売り上げを盛り返そうと、客への還元をアピール。商戦は熱を帯びている。
イトーヨーカ堂は、8日から全国の約130店舗で6日間限定の還元セールを始めた。「アンガスビーフ肩ロースステーキ用」は100グラム当たり192円で昨年末に比べ1割超値下げ。オレンジなどを含めた8商品を1~2割引き下げた。イオンリテールも、9日から米国産牛肉の一部商品で1割値下げ。キウイフルーツなどの特売も行っている。
輸入品を多く並べる成城石井は、10日から米国産ワインやナッツ類のセールを開催。買い物客からは「安くなったので大きいステーキが食べられる」と歓迎する声が上がった。
スーパー各社は、関税引き下げを消費者取り込みにつなげたい一方、値引き競争による消耗戦を警戒する。関東地方で約100店を展開するスーパーの幹部は「値下げ合戦には参加したくない」と本音を漏らす。米国産牛肉は従来低価格で利益が薄く、当面様子見の方針だ。