楽天「格安5G」に乗り換えても大丈夫?技術に半信半疑の声
楽天は30日、5G(第5世代通信規格)の料金プランを現行の4Gと同じデータ使い放題で月額2980円(税抜き)にすると発表し、早速サービスを開始した。
携帯大手3社の5Gの料金プランは4G向けに500~1000円上乗せされ、総額は7650~8650円。楽天は6~7割安い。
当面は首都圏など一部地域に限られるが、三木谷浩史会長兼社長はオンライン会見で「来年の夏にはほぼ全国の皆さんにサービスが提供できるかな」と語り、全国展開に自信を見せた。
■技術的には半信半疑
格安プランを可能にするのは、通信網に安価な汎用機器やクラウドを使った「仮想化技術」を全面的に採用しているため。他社に比べて、設備投資を4割、ランニングコストを3割削減できるという。難易度の高い5Gなのにそんな低コストでうまくいくのか。
「5Gで仮想化技術を全面採用するのは楽天が世界初。楽天は現行の4Gでも電波状況が悪い。この料金で5Gがクオリティーも含めてうまくいったら夢のような話。正直、半信半疑で捉える向きが多い。ただ、このタイミングでの楽天の格安5Gスタートは、携帯料金の値下げの流れを加速させるのは間違いない。菅政権が目玉策として打ち出し、NTTもドコモを完全子会社化する方向で料金値下げに動いています。将来、楽天が技術的にコケたとしても、携帯料金値下げの流れは止まらないでしょう。ユーザーにとっては、ありがたい参入です」(ITジャーナリスト・井上トシユキ氏)
楽天の5Gは技術的には「?」だが、携帯値下げの触媒にはなりそうだ。