日銀のマイナス金利導入から丸5年「あと3年続く」の深読み
マイナス金利が導入されて2月16日で丸5年が経過した。短期金利をマイナスに引き下げることで期待インフレ率を押し上げ、物価上昇率を2%まで高めることを目指したが、いまだに2%の上昇は実現できぬまま、副作用ばかりが目立つ始末だ。
「当初、短期間で終了するとみられていたマイナス金利は予想に反して長期化し、金融機関の利ザヤを圧迫している。とくに伝統的な預貸業務のウエートの高い地域金融機関の収益は悪化の一途をたどった」(銀行アナリスト)と言える。
■3月に緩和策の総点検
しかし、日銀はマイナス金利を解除するつもりはさらさらない。
「日銀は3月18、19日の金融政策決定会合で、これまでの金融緩和策の総点検を行います。当然、マイナス金利政策についても金融仲介機能への副作用といったデメリットも俎上に載せることになりますが、黒田東彦総裁は早々に『政策点検でマイナス金利を見直すことはない』と明言しています。地域金融機関が期待するマイナス金利の解除は望み薄です」(前出の銀行アナリスト)という。