グローバルダイニングが黒字転換 都に反発し店は大盛況

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 3月22日、東京都から新型インフルエンザ対策特措法に基づく時短命令を受けた外食チェーンのグローバルダイニング(東京・港区)が、時短要請を違法として都に対して損害賠償請求を行ったのは記憶に新しいだろう。
 その際、同社の長谷川耕造社長は、一部の遊興施設への営業を容認しながら、外食産業には締め付けを迫っていると主張。

 再び感染者数の増加によって、3回目の緊急事態宣言が5月11日まで発令され、これに伴い、飲食店の時短営業や休業、酒類の提供休止を政府や各自治体が要請している。だが、同社は再度、この要請に応じない選択をした。

 夜の街は閑散としているが、グローバルダイニングの店舗は賑わいを見せているという。4月30日金曜日の夕方、同社のイタリアンレストラン「カフェ ラ・ボエム 銀座」を訪れた。
 入り口には、<27:30まで営業しています!>と大きく印刷された紙が貼り出され、店での“禁酒令”が要請される中、遅くまで飲み食いができるとあって店内はほぼ満席状態。足を踏み入れると、「ご予約ですか?」と聞かれるほど。

■通常営業で酒も提供

「カフェ ラ・ボエム」ホームページによると、

<当社はこの度の緊急事態宣言下におきましても、時短・休業要請には応じず、平常通りの営業を続ける方針です。酒類につきましても、提供させていただきます。ただし、一部の商業施設内の店舗につきましては、施設の方針に準じ、営業時間の短縮(または臨時休業)、酒類の提供休止等の措置を取っている場合がございます>

 時短営業に従わないだけでなく、酒類を提供すると堂々と宣言。同社のアジアンレストラン「モンスーンカフェ」など各業態でも、一部商業施設などを除き、緊急事態宣言中も通常通りの営業を行っている。

 4月30日に発表した同社の1〜3月(2021年12月期第1四半期)の決算は、売上高20億4700万円、営業利益1億9600万円、純利益1億7500万円と、大赤字の前年同期(売上高16億9700万円、営業利益 -3億3800万円、純利益 -4億3000万円)とは打って変わり、増収、黒字転換を果たした。いかなる状況でも営業を続けてきたことが結果として実った。

 業績回復の要因について、グローバルダイニングに話を聞いた。

「売り上げに関してモンスーンカフェは一部、商業施設に入っている店舗もあり、施設ごとの時短営業に応じていたため微増でしたが、ラ・ボエムは住宅街に立地している店舗が比較的多いため、通常営業のほかデリバリーやテークアウトが貢献し、大幅に伸びました。そのほか、海外の売り上げが前年比で倍以上になった影響もあります」(グローバルダイニング総務管理グループ)

コロナ禍で店舗運営が鍛えられた

 さらに、コロナに見舞われた昨年1年間で、店舗ごとのコスト管理が強化された点も大きいという。

「不採算店舗の撤退のほか、ミニマムシフトによって店舗運営がだいぶ鍛えられたのも大きな要因で、コストの削減につながっています」(同前)

 都に対する訴訟で知名度を上げたのも確かだろう。

「電話で『やっていますか』というお問い合わせが増えているほか、来ていただいたお客様からは『応援しています』と声を掛けていただくことも多いと聞いております」(同前)

 このままの状況が続けば、通期で黒字化も見通せそうだが、楽観視している訳ではないとのこと。再び命令が下った場合、店舗を閉じることも考えているという。

「どの店舗も空間が広く換気をしっかり行い、消毒のほか席の間隔も開けていますので、安心してお越しいただける体制になっております」(同前)

 業界全体が同社の動向に注目している。

(取材・文=伊藤洋次/日刊ゲンダイ)

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