ポテト不足が外食や小売りを直撃 “逆張り”で増量するチェーンも
カナダや米国からのポテトの輸入が遅れている影響が、日本の外食・小売業界で広がっている。日本マクドナルドが提供する「マックフライポテト」のサイズを絞ったほか、販売自体を一時休止した社も出るなど対応に追われている。一方でこの商機を逃すまいと「逆張り」で増量キャンペーンに動いたチェーンもあり、各社とも顧客獲得に向けて戦略に工夫を凝らしている。
マクドナルドは昨年末に続き、9日から1カ月程度をめどに再びSサイズのみの販売に切り替えた。今後は「航路の分散や、調達先の拡大も検討する」(広報)という。
ハンバーグチェーン「びっくりドンキー」を展開するアレフも、欧州からの輸入遅延を受け、今月末まで全店でフライドポテトの販売を休止する。両社の背景にあるのは、新型コロナウイルス感染拡大による世界的な物流網の混乱だ。悪天侯でカナダなどからの輸送が滞ったことも追い打ちとなり、深刻な在庫不足に陥った。
ポテトを北米などから輸入するモスフードサービスや日本ケンタッキー・フライド・チキンは通常通り販売を行っているが、「先行きを注視している」(モスフード)と警戒する声が上がる。