なぜロシア人の多くはプーチンにだまされたのか? 考えられる「3つのこと」
ナチス・ドイツ総統ヒトラーは遠い過去の人物で、2人目はもう現れないと思っていた。すると目の前にロシアのプーチン大統領が登場。前々から存在感はあったが、ウクライナ侵攻で牙をむき出しにし、国際社会をいや応なく巻き込んだ。未来に繰り返さないという保証はどこにあるだろうか。
■「二重思考」のロシア人
「二度と繰り返さない」。プーチンは、旧ソ連の子孫たちと同様、こう不戦を誓っていたはずだが、惨事を現代にもたらした。武器を捨てるのが日本の平和主義なら、核保有までして侵略されないようにするのが彼らの「平和主義」。戦勝記念日の演説では「自衛」のためと戦争を正当化した。
世界はだまされなくても、ロシア人の多くはだまされる。考えられる理由は、もともと歴史観や愛国心が「神話」のようにすり込まれていること、情報統制下でプロパガンダの波に圧倒されること、そしてメディアリテラシーが未発達であること。
思うに「だまされない能力」は、幼少期からタブレットを与えられるような情報環境ではなく、言論の自由や独立した報道が存在しないことには育たない。情報を天の恵みと見なす「受け身」の人間が大量生産されれば、独裁者はにんまりだ。