「サハリン2」接収でどうなる天然ガス供給…ロシアの報復が岸田首相の“お膝元”直撃
岸田首相がNATO首脳会議に日本の首相として初参加。対ロシア制裁の強化を確認した直後、プーチン大統領から強烈な“報復措置”だ。
日本企業も出資している液化天然ガス(LNG)開発事業「サハリン2」の資産について、プーチン大統領は先月30日、ロシア側が新たに設立する会社への移管を定めた大統領令に署名。同事業に参加中の三井物産や三菱商事が今後、撤退を迫られる可能性が浮上している。
岸田政権はサハリン2を「極めて重要なプロジェクト」と位置付け、ロシアのウクライナ侵攻後も一貫して「撤退しない」と繰り返してきた。それが、いきなりプーチン大統領にハシゴを外された格好だ。NATO首脳会議でロシアを「最大かつ直接の脅威」と指摘した直後のタイミングだけに、プーチン大統領を完全に「敵」とみなした岸田政権への「報復」である。
問題は、日本企業がサハリン2から除外されるかどうかだけではない。日本のLNG輸入の9%を占めるロシア産の供給が止まれば、値上げ続きの電気・ガス料金が、さらに高騰する恐れがある。岸田首相は「すぐに液化天然ガスが止まるものではない」と火消しに躍起だが、供給停止となれば、その悪影響をモロに受けるのが“総理のお膝元”だ。