安久工機 田中隆社長(1)「世界トップレベルのベンチャー7社」に選ばれた町工場

公開日: 更新日:

「早稲田の先生から声をかけられて、このプロジェクトに安久もかかわりだすんです。学生さんが描く図面のアドバイスとか、実際に装置をつくるという形で協力するようになっていきました。今でこそ“医工連携”という言葉が当たり前に使われますが、それをすでに50年以上前からやっていたことになります」

 医工連携とは、医学分野の関係者と工学分野の関係者がタッグを組み、新たな医療機器や技術を開発することを指す。それにしてもなぜ、スタートしたばかりの安久工機にお鉢が回ってきたのだろうか。

 文夫氏が勤務していた東洋精器は、同じ下丸子に本社があった東証1部上場の北辰電機製作所(現横河電機)の仕事を請け負っていた。その北辰電機に勤めていた一人が早稲田大の出身者で、同大の研究室に戻ったので、その縁で協力を依頼されるようになったのだ。当時から、文夫氏の技術の確かさが信頼されていたということだろう。

 安久工機が創業した当時、隆氏は中学2年生。業務の内容についてはほとんど知らなかったが、「小さな会社だけど、人の役に立つ仕事をしているに違いないという認識を持っていました」と隆氏は振り返る。 =つづく

(ジャーナリスト・田中幾太郎)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発