外食大手チェーン約7割が値上げ…“客離れ”リスクが高まる中で生き残るのはどこだ?
大手外食チェーンの値上げラッシュが続いている。東京商工リサーチの調査によると、大手122社のうち67%にあたる82社が、今年に入って値上げをしたか年内の値上げを公表しているという。前回9月の調査では47社だったが、9月以降35社が値上げに踏み切った。値上げラッシュは止まらない状況だ。
値上げの理由では、85%のブランドが原材料価格の高騰を挙げた。値上げ幅は「5%以上10%未満」が12ブランドで最多だった。ただ、単価の安いファストフードやコーヒーショップのメニューでは、年初から15%以上値上げしているモノもあるという。
しかし、外食チェーンにとって値上げは“客離れ”に直結するだけにリスクが高い。消費者の節約志向が強まっているだけに、売り上げが激減する恐れがある。サイゼリヤは「値上げは一時的なカンフル剤にすぎない可能性がある。短期的には利益が出るが、1、2年後は疑問だ」と値上げをしない方針だ。
値上げラッシュの中、“1串50円”という激安価格で店舗数を増やしている居酒屋チェーンも出てきている。値上げしても生き残る外食は、どこなのか。外食ジャーナリストの中村芳平氏はこう言う。