松竹 迫本淳一社長(1)弁護士資格を持つ異色の経営者 圧倒的な手腕を見せる
「歌舞伎は高尚な古典芸能というイメージがあるかもしれませんが、もともとは江戸時代に始まった町人文化で、新しいことに挑戦し続けてきたという歴史があります。3代目市川猿之助が86年に始めたスーパー歌舞伎も、当時は、『あんなサーカスみたいなのは歌舞伎ではない』という批判もあったと聞きますけれども、いまでは古典になっています」と、迫本は語る。
エンターテインメント企業の場合、プロデューサーが経営者になることが多い。そのような経験がない迫本は、製作に関しては、基本的には製作陣に任せているという。
「いい作品を生み続けられる場をつくっていくことが、経営だと思っています」
迫本は小学生のとき、ソニーの米国進出を描いたテレビ番組を見たのがきっかけで、国際舞台で活躍する起業家になりたいと思うようになった。
慶応義塾大学経済学部に入学すると、英会話学校の夜間部に2年間、毎日3時間の授業を受けたのも、そのためだった。
大学卒業後、さらに法学部に3年からの学士入学をする。米国には弁護士から実業家になって活躍する人が多いという話を聞き、自分も弁護士資格を有した起業家になろうと思ったのだ。
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