小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

メルセデス“4番バッターSUV”新型GLCに乗る 衝撃ハイテク満載! とはいえ、ちと高すぎ?

公開日: 更新日:

メルセデス・ベンツGLC(車両価格:¥8,200,000/税込み~)

 いまプレミアム界を席巻しつつあるSUV。既に報じたように2002年のポルシェ・カイエンを起爆剤にメルセデス、BMW他プレミアムブランドがどんどん上質SUVを連発。内外で好セールスを続けてるわけだが、中でも主軸となるモデルが一新し先日日本に上陸した。2代目メルセデス・ベンツGLCである。

 初代上陸は7年前の2016年。現行メルセデスSUVは伝統のクロカンGクラスを筆頭にエンジンモデルはGLA、GLB、GLC、GLCクーペ、GLE、GLEクーペ、GLS、メルセデスーマイバッハGLSの9車種、バッテリーEVモデルで4車種と全13車種もSUVを日本販売しているが、初代GLCは世界累計260万台とトップセールス。押しも押されぬ4番バッターSUVなのである。

 秘密は全長4.7m前後の世界的には手頃なサイズと今となっては乗用車系SUVでは一部ドイツやイタリア、日本のマツダぐらいしか使ってない本格FRプラットフォームベースのSUVであることだろう。

 GLCは車名からも分かる様に高級セダンCクラスの骨格を使っており、独自の前後バランスに優れたハンドリングやノングノーズの王道を行く高級車フォルムが売りだ。新型GLCは文字通り新世代のCクラスセダンをベースに生まれ変わったわけだ。

微妙ながらも「未来キター!」感が味わえる

 注目点はざっくり3つ。正常進化したボディサイズやスタイリングと、1つ先を行く先進安全であり、デジタル性能だろう。

 全長4725×全幅1890×全高1640mmで先代に比べ幅は変わらないが50mm長く5mm低く、ホイールベースは15mm長くなっている。全体の丸みを帯びたセクシーフォルムは変わらないが、特にリアフォルムは伸びやかになった。その分リア席は若干スペースが増え、ラゲッジも550ℓから620ℓに拡大された。

 圧巻はインテリアで、オシャレなピンストライプパネルはもちろん、デジタル度も凄く、セダンですでに評判のよい大型11.4インチセンターディスプレイと12.3インチのデジタルメーターを装備。後者は自慢の「ハイ、メルセデス!」で起動する音声認識機能などに加え、これまたセダンで導入済みのナビのAR(拡張現実)表示やボンネット下の路面標識も映し出せるトランスペアレントボンネット機能を装備。使ってみると、微妙に「未来キター!」感が味わえるものだ。

 同時に4駆性能も優れており、エアサス付きは車高がモードボタンで変えられるほか、新開発のオフロードスクリーンも備え、車両の傾きや路面勾配の情報なども得られる。

価格は…サラリーマンの憧れを超えるレベル

 走りに関しては、当初は2ℓディーゼルターボ+48VマイルドハイブリッドのGLC220dのみ選べ、エンジン出力は197ps&440Nmと十分。WLTCモード燃費も18.0km/ℓと良好だ。

 しかもボディが大きくなった分取り回しは悪化するかと思いきや、この世代からオプションでリアステアリングを選べるようになり、小回りが予想以上に利く。オマケに普通の街中でレベルでも曲がりが気持ちいい。ハイテク面だけでなく、ベーシック面でも進化している。

 唯一の難は価格で、Cクラスセダンも当初600万円超えの価格が話題になったが、新型GLCは、な、なんとベースで820万円! AMGラインパッケージほかオプションを含めると、平気で1000万円を超える。

 こうなるともはやサラリーマンの憧れを超えるレベルであり、クルマはいいけどサイフが追いつかないというシビアな現実を痛感する。ハッキリ言って買えませんってば、中古車になったGLCぐらいしか。

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